121107_0180 (1)

 少し前のことになりますが、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」という本が日本で大ヒットしました。
 
 作家・岩崎夏海さんの小説で、内容は公立高校の弱小野球部でマネージャーを務める主人公である女子高生が、ピーター・F・ドラッカーの著した『マネジメント』という本を偶然書店で手に取ったことを契機に部の意識改革を進め、甲子園を目指す、というストーリーです。
 
 主人公の女子高生は、この『マネジメント』を通じて、管理者としてのマネージメントだけでなく、マーケティングイノベーションの重要性も同時に学んでいきます。
 
 今回、東京komachiでぜひご紹介したい方は、その「マーケティング」においてのカリスマ。皆さまにもとっても役立つマーケティングを分かりやすく教えてくださる伝道者でもある賢人です。
 
 
 金森努さん。経営者であり、大学院の客員准教授や大学の非常勤講師でもある方。そんな多面的な顔を持つ金森さんに今回お話しを聞いてみました。
 
 

・マーケティングを分かりやすくいうと・・・

 
ed3b782ad06ac8440245a870a275f053_s
 
 
―――まずは、金森さんのこれまでのキャリアを教えてください。
 
 『東洋大学経営法学科を卒業しました。そこでマーケティングに触れたことが、私のマーケティングに関わる人生のはじまりでした。卒業後は大手コールセンターに入社。業務で顧客とのコミュニケーションを通じて、「この人はナゼ、こんなコトを聞いてくるんだろう」「ナゼ、こんなモノを買うんだろう」など、「顧客の生の声」から消費者行動に興味を覚えたんですね』
 
 
 穏やかですが、力強い口調でそう語る金森さん。必要は発明の母、ともいいますが、金森さんにとってそれは必要であり、必然だったのでしょう。
 
 
 『そして、さらに深くマーケティングの世界に踏み込むことになりました。その後、マーケティングコンサルタント会社や広告代理店を経て、2005年に独立しました。それ以来、気づけばマーケティング一筋26年になります(笑)』
 
 
 有限会社金森マーケティング事務所の取締役であり、グロービス経営大学院客員准教授(マーケティング・経営戦略)、さらに青山学院大学経済学部非常勤講師(ベンチャービジネスとマーケティング)も兼務。様々な顔を持つ金森さんですが、マーケティングにおける「顧客視点」の重要性については、一貫してまったくブレがありません。
 
 
―――ビジネスをはじめ世の中に定着した感のある“マーケティング”という言葉ですが、まだまだ本当の意味を理解している方も少なくないと思います。難しい質問かもしれませんが、一言で“マーケティング”を説明するとどんな言葉が適切でしょうか。
 
 『一言でいうならば「売れ続けるしくみ作り」ということでしょうか。それに対して、売上をつくるために無理矢理「売り込む」ことや、無理して値引きする、無駄な広告を出す・・・なんてことはやめましょうよ、といいたいですね』
 
―――確かにそうですね。営業職の方でしたら、自身の売上や、ノルマを達成するためについつい強引に売り込んでしまったり、お客さんの言いなりになって無理な値引きをしてしまいがちですものね。では、そうならないためにはどうしたら良いのでしょうか。
 
 『そのためには、まずは、お客様のことをよく理解しましょう、ということですね。顧客は誰で、何を必要とし、望んでいるのかを明らかにしましょう。そして、お客様が望むモノを、望むカタチで提供すれば、無理や無駄なことしなくとも、自然と売れていくようになります』
 
 『つまり、「顧客に支持されて、顧客自らが選び続けてくれる状態を作る」ことが「売れ続けるしくみづくり」。それが、マーケティングの本質だと思います』
 
―――よく分かります。それでは、金森さんの現在の仕事内容を教えてください。
 
 『企業に対するコンサルティングが50%、大学や大学院(MBAスクール)、企業研修などの講師業が50%という割合ですね。お客様へのコンサルティングでは課題を解決するために情報のインプットをして、講師として教える時に情報を体系化するというサイクルを作るようにしています。インプットとアウトプットのバランスが上手く取れるように仕事をコントロールしています。その他、コラムや書籍の執筆も行っていますね』
 
―――今、多くの方を教える立場ですが、金森さんご自身が尊敬するマーケッターはいらっしゃいますか。
 
 『フィリップ・コトラーと、レスター・ワンダーマンの2人です。コトラーは現代マーケティングの体系化に大きく貢献した人で、「マーケティングの神様」とも呼ばれています。ワンダーマンは「ダイレクトマーケティング」の提唱者。彼はタイム誌が選出した20世紀最大の広告人の1人にも挙げられており、前職の創始者で多くのことを学んだからです』
 
 
 どちらもマーケティングを語る上で絶対に外せない人です。コトラー近代マーケティングの父とも呼ばれ、尊敬を集めていますし、ワンダーマン金森さんのお話の通り「ダイレクトマーケティング」を提唱した人。
 
 このマーケティング手法によって、Amway、アメリカン・エキスプレス、ネスレ、メットライフ、フォード、メルセデスベンツ、BMW、デルコンピュータ・・・という世界的企業が成功したといわれています。それだけビジネスの世界へ与えた衝撃は大きいといえます。
 
 
121107_0112
 
 
―――話は変わりますが、ご自身は色では赤がお好きということですが、その理由は何でしょうか。
 
 『(着る自分も・受講生も)元気が出る色だから、ということと、とにかく目立って印象に残る色だからです。講師という仕事は、短期間の日程のお付き合いが多いので名前を忘れられても、「あの、赤い先生なんて人だっけ?」と誰かが思い出してくれることを狙っています。覚えられてナンボみたいなところもあるので。まぁ、芸人みたいなものですね(笑)』
 
―――なるほど。そういえばお写真のネクタイ、腕時計、ハンカチも赤ですね。
 
 

・つねに何にでも興味をもってみよう!

 
9c2c0d34309a89a0b7739d054a94386c_s
 
 
―――最後になりますが、今後マーケッターを目指す人たちにメッセージをお願いいたします。
 
 『まずはアンテナを高く張って、何にでも興味を持ってください。そして、その中で目に入った商品、広告は誰に向けて作られ、どう思ってもらおうとしているのか。その競合となる商品はどんなものなのか。その商品の価格設定と、売場での置き場所(棚)はどのような意図で設定されているのか・・・など、特に「誰」という部分は妄想レベルでもいいので具体的に考えてみること。そんなことをしていると、マーケティングの感度がどんどん上がっていくことでしょう』
 
 
 
 金森努さん。ウィキペディアの「ダイレクトマーケティング」の項目、代表的なダイレクトマーケターとしても、世界のそうそうたるメンバーに名を連ねる人でもあります。
 
 だからといって、決して難しい話は一切なく、とても分かりやすくマーケティングのこと、そして金森さん自身のことを話してくださったのでした。
 
本当に頭の良い人は、どんな話でも誰にでも分かりやすく伝えてくれる。
 
 マーケティングは、伝えたいことを、知ってもらいたい人に、いかに分かりやすく理解してもらえるか。そういう部分も大事になってきます。その点でいえば、金森さんの凄さの一端を改めて知ることができた気がしました。
 
そして、ここまでご覧になったアナタ。
 

『マーケティングってどうせ仕事で使うだけでしょ?』

 
・・・そんなことはまったくありません!
 
 もちろん、起業したり、仕事でステップアップするにあたりマーケティングは大変役立ちますが、普段生活していく上でも、マーケティングの知識はとても役立ちます。
 

「相手が何を望んでいるのか」「何をしたら喜んでもらえるか」

 
 マーケティングの本質でもあるそんなことを考え、そして実践して、お互い笑顔になる。円滑なコミュニケーションにつながる。お付き合いがスタートする。家庭円満になる・・・などなど。これまた立派なマーケティング活動といえるでしょう。
 
 
 

■もしマーケティングに興味がある方は金森さんのサイトもご覧ください
Kanamori Marketing Office

 

  広報 2016.01.15
この記事をみんなにシェア